インタビュー

錦糸町 Take Your Time のマスターに聞く「初心者の為のBARマナー」

前回は【バーテンダーのお仕事】について教えていただきました。
今回はあまりBARに通い慣れていないBAR初心者の方のためにBARの楽しみ方を教えていただきました。

鈴木 真一さん

東京都出身
1979-2003年の24年間銀座にてpubとBarを経験
内、 1店舗のマネジメントを行いながら銀座 M’s BURN の店主を務める
2004年~ 亀戸のBAR 1959
2007年~ 亀戸のBAR As is
2011年〜  町屋のBAR Penzance
2013年~ 錦糸町にてTake your time

銀座で24年間、pubにてお酒はもちろんのこと、お客様に喜んでいただくための接客スキルを学ぶ。下町と呼ばれる地元にて洋酒文化を広めたいという気持ちから地元に戻り、Barを開業する。

BARに行く際の服装

鈴木 真一さん

早速ですが、BAR でのドレスコードについて教えていただきたいです。
私の場合は若い頃からBAR通いをしていたのですが、最初はバーテンダーさんに相手にされないないのではないか?ということが一番怖かったです。
必ずヒールは履いて行き、ジーパンでも行かないようにしようと最初は思っていました。

特に服装は無いですよ。気軽な格好でいいと思います。
ただ、中には格式高い BAR もあって、有名な BAR では入り口にドレスコードが書いてあるお店もあるので、注意が必要です。
判断が付かない場合、男性はジャケットを着て行くことが一番無難です。

鈴木 真一さん

そういうお店もまだ残っているのですね。

BARは本来、お酒と真摯に向かうところだと思います。
その気持が服装を選びます。
うちのお店はラフに来てもらって、全然構いません。
ただ、たまにBARに行くなら格好をつける時があっても、良いかもしれませんね。
スーツをきちんと着て、格好をつけて洋酒を飲む。
なんかいいじゃないですか。

鈴木 真一さん

初めて行く BAR って他にどんなところをチェックすればいいのでしょう?

何度もお店の前を往復してから様子を見てくるお客様もいますよ(笑)
でも、今はSNSがあるじゃないですか。
そういうのを見て、雰囲気を確認してから行かれるのがいいと思います。

鈴木 真一さん

確かに口コミで「女性が一人でも安心して入れる」って書かれていたりすると安心しますね。
そこまで値段も高くないんだろうなって思いますし。

初めてBARに行く時の時間帯

鈴木 真一さん

ちなみに、初心者がBARに行く場合、何時頃がおすすめとかありますか?

BARに来たことがない人はゴールデンタイムを外すのも一つです。
BARのゴールデンタイムは22時から23時30分くらい。
一番混むし、お客様が入れ替わる時間。
そのため、バーテンダーが余りお客様としっかりコミュニケーションを取れない時間帯でもありますね。
狙い目の時間は19時台と、20時台です。

鈴木 真一さん

なるほど!
やっぱり BAR にきたならバーテンダーさんとお話したいです。

はい。ぜひBARが暇そうな時間を狙ってご来店ください。
「初めてなんです」って言ってもらえればしっかりこちらでエスコートさせていただきます。

BARでのオーダータイミング

鈴木 真一さん

初めてBARに行った時に思ったのですが、注文のタイミングが分かりづらかったのですよ。居酒屋だと「すみません」って手を挙げる
初めてのBARで一番最初のミッションは、バーテンダーをさんを呼ぶことなのではないかと思います。

普通に「すみません」で大丈夫ですよ。
後はおしぼりを渡されたタイミングだと、スマートで良いかもしれませんね。

鈴木 真一さん

スタッフの方が少ないお店だと、常連のお客様とバーテンダーさんが話に夢中になってしまっていて話しかけづらい空気の時も結構ありまして…。

遮っちゃって全然大丈夫です。ついつい話が長くなる自分ですが、バーテンダーは常に他のお客様にも目配せをしているので、安心してください。

鈴木 真一さん

ちなみに、最初って何を頼んでいいかわからなかいかもしれないと思うのですが、いきなり「おまかせ」でお願いしても大丈夫なのでしょうか?

「おまかせ」っていうのはバーテンダーがそのお客様の好みとかを把握している場合に頼むとお好みのものを出すことが可能なのですが、そうではない場合、「ハズレ」を引いちゃうこともあります。
うちでは、アルコールは強め・弱めがいいか?サッパリしているか?甘いか?炭酸が入っていた方がいいか?好きなスピリッツ(ベース)はありますか?
と、お客様の好みを聞くようにしています。

鈴木 真一さん

なるほど。確かに BAR にまだ来たことが無い方はカクテルのショートとロングの違いとか、ジンやウォッカの違いもわからないかもしれませんね。

初めてBARに来る人は、何を聞きたいかという質問自体がわからない人が多いのですが、特に難しく構えないで「BARは初めてなんです」って言ってもらえるのが一番有り難いですね。

鈴木 真一さん

下手に恰好つけないで良いということですね。

初心者の方は自分が好きなものを知っていく作業を最初にすると、よりよいBARライフを楽しめると思います。
嫌な味だったらごめんなさいをすればいい。
BARに通って怖がらないで、色々頼んでみて全然大丈夫。
自分のスタンダードな味を見つけたら、そこからどんどん広げていけます。

BARでの作法

鈴木 真一さん

BARで本を読んだり、スマホをいじるのはアリなのでしょうか?

Take your time ではありだけど、基本的には NG な店もあるので気をつけてください。
銀座の格式高いBARでも本を読むのが OK なお店もありますよ。
本を読み出したお客様の前にすっと小さいスタンドを黙っておいてくれるお店もあります。自分の時間を BAR で作ってくれるのは嬉しいことです。
見てて素敵だなって思う。

鈴木 真一さん

そうなのですね。それは知れてよかったです。他に作法はありますか?

BARではこうしなくてはいけないってことはそんなに無くて、デリカシーを持って人に接することができれば全く問題ないと思います。
郷に入れば郷に従えというコトワザがある通り、やっぱりそのお店のルールというかお店にある程度合わせる必要はあると思います。
ただ、それもあくまで一般的な常識や、マナーがあればすぐに分かるレベルのことだと思います。

鈴木 真一さん

一人で静かに飲みたくてBARに来ているのに、騒がれているお客様がいたり、大きい声で下ネタを話されていたりすると雰囲気が壊れてしまうこともありますよね。

やっぱりここはBARですから場合によっては注意をすることはあります。
しかし私のことは下町の小言がうるさいクソ親父だと思って接してくれればいいと思っています。(笑)

BARでのお会計の頼み方

鈴木 真一さん

お会計の頼み方は様々ありますが、BARではどういった頼み方が恰好いいと思いますか?

お愛想とか指でバツをする方がいます。
もともと「お愛想」は、お客様から代金をいただくお店側が、愛想がなくてすみませんの気持ちを込めた、お寿司屋さんの隠語。
バツは「〆る」とか「チェック」の意味のジェスチャー。
普通に「お会計をお願いします。」や「お勘定をお願いします。」が一般的です。

鈴木 真一さん

私はBARでお会計をお願いする時に「帰ります。」と言うか、バーテンダーさんが近くにいない時は目が合った時にお財布を軽く上げるというジェスチャーをするのですが、それは間違ってないですか?

お財布を上げるのは土地柄なのか、強面の方がよくやります。(笑)
間違ってはいないのですが、そっとカウンターの上に出すか、「ご馳走様です。」でよいのではないでしょうか。
「サインを書く」ジェスチャーが一番格好良いと思うお会計の頼み方だと思います。

そして常連へ

鈴木 真一さん

BARって何回来たら「常連」と言ってもいいのでしょう?

うちは、3回来たら常連だと思っています。1年に1回の3回でも常連ですよ。店主に自分の存在を知ってほしかったら、短いサイクルで続けて行くといいと思います。そういうお客様は2年経っても忘れません。

鈴木 真一さん

久々に行ってもバーテンダーさんは顔や好みや話した内容まで覚えていてくれて、BARって本当に素敵な場所だなといつも思います。
本日は色々と教えてくださり本当にありがとうございました!

BARでのお食事

最後に仕込みに6日間も費やしているという欧風カレーをいただきました。(夏限定です。)
BAR
でこんなにもクオリティーの高いカレーが食べられるとは!美味しい!
もっとこのカレーのこだわりをご紹介をしたいのですが、それはまた今度の機会に
乾き物だけというBARもありますが、Take your timeさんはお店で仕込んだこだわりのフードメニューがあります。
BARだけどここって料理も美味しいんだよ!」とついつい自慢をしたくなります。
基本的にはお酒がメインだと思いますが、BARで美味しいお料理に出会えるとまた違う楽しさがあるかもしれません。

Take Your Time(テイクユアタイム)

住所
東京都墨田区錦糸2-11-6 真ビル106
電話番号
03-6658-8868

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この記事の執筆者

グルメブロガー バーボンなつき

将来の夢は「板前」から始まりました。
それなのになぜかSE・一般事務・経理を経験。
しかし飲食への熱い思いは留まることがなく、エンゲル係数が高い生活へ。
作る、見る、食べる、食べてもらうことが好き。

キャッチコピーは【胃の中に入るものは何でも好き。】
しかしピーマンは食べられません。