コラム

水炊き鍋用のスープを自宅で仕込む。圧力鍋を使わない白濁した鶏ガラスープの作り方

「本気の水炊き鍋をやろう」そんな言葉から作った鶏ガラスープ。
自宅で出来るのか…そう思いながら作ってみたら意外と出来るじゃん!ということがわかりました。
レシピではなく、作り方の紹介です。
鍋、ラーメン用に作る場合、通常こんなに鶏ガラは使わなくて大丈夫なのですが、
今回のテーマは「本格」・「本気」・「白濁」です。

水炊き鍋用鶏ガラスープの材料と必要な調理器具

【鶏ガラ】
千葉県(水郷どり)5kg入×2
5kgで大体22羽〜24羽くらいです。
1袋1,620円×2+送料=4,440円です。

この量ですと私が持っている寸胴では多すぎるので40羽分を使用して残りは冷凍しました。
今回購入をしたお店はこちら↓

なぜこちらで購入しているかというと、ガラが綺麗・しっかり掃除されているからです。

他はにんにく1.5、生姜1パック、人参4本、長ネギ3本、玉ねぎ6個です。
人参以外は必須、他家にある野菜を全て入れてみるっていうのもありです。(葉物系以外)

そして使った鍋は直径30cm、20Lの寸胴です。
少量で白湯まで炊かないのであればもちろんこんな大きい鍋を使わなくてもOK
というか一般家庭でこんない大きい寸胴は普通ないですよね。

直径30cmの寸胴である理由は一般家庭用のガスコンロに置ける限界がこの大きさだと思ったからです!

鶏ガラの下処理〜掃除・洗い〜

冷凍で届いた鶏ガラ。
本当は冷蔵解凍してから掃除をしたかったのですが、急用が入ってしまい間に合わない…

ってことでシンクに入れて流水解凍しました。
ちなみにシンクはハイター消毒をした後に入念に洗剤で洗い、更に熱湯消毒してます。

解凍されてきたらくっついている鶏ガラを丁寧にはがしていきます。

掃除する前の鶏ガラはこんな感じ。
臓器や血がついているのでこれらを綺麗にします。
色んなところの鶏ガラを見てきましたが、これは綺麗な方です。
肋骨部分がキレイ!

洗い終わった鶏ガラ。
どうキレイにするのか?それはもう指を使ってやるしかありません。
これを完璧に解凍されていない状態でやると指の感覚が無くなっていきます。
しっかりと解凍すると柔らかくなって掃除しにくい。だけど冷たい。
量が少ない場合は半解凍、量が多い場合はしっかり解凍してから掃除をした方がいいかもしれませんね。

慣れた私でも40羽分の掃除で1時間6分かかりました。
1羽1分半ってところでしょうか?

そして洗った鶏ガラを沸騰させたお湯にさっとくぐらせます。
指で掃除しただけでは取り切れない汚れを取りきる為の手法です。
ひと手間かかりますが、これは絶対にやった方が良い作業。
残った臓器や血が取れるのでこれをすることにより臭みがでなくなります。

お湯にくぐらせた後、更に流水で洗うとここまでキレイになります。

ここまで出来たら後はお野菜をカットして一緒に煮込むのみです!
玉ねぎはそのまま、生姜は大きめのカット、長ねぎは本葉も含めて全部使います。

16時から開始してこの時点で18時。
全ての準備で2時間かかりました。

全ての材料を鍋に入れる

全ての鶏ガラを寸胴に入れます。
「おや、入り切らないかも…」
ここで鶏ガラの量が少し多いことに気がつく。
後2羽くらい少なくても良かったかも…

鶏ガラがつかるくらいのお水を入れます。

そしてカットした野菜達を入れて強火にかけます。
野菜が全然浸かっていない…。(笑)
ちょっと計算間違えをしましたが、どっちにせよ除々に沈んでいくので問題ない!

沸騰するとアクが出てきますので、ここからはひたすらアク取りをします。

アクが出て来なくなったら弱火にして煮込みます。

火加減はこれくらいです。

煮込み始めて4時間後

煮込んで4時間、時間は22時。
鶏ガラの原型はなくなります。
4時間!?と思うかもしれませんが、まだまだです!

煮込み始めて12時間後

煮込んで12時間、時間は6時。朝になりました。
朝日が眩しい!
ここで、色がちょっと違うなと感じました。

ここが今回の反省点です。
そう、人参を入れすぎたのです…。
それが原因か酸味を少し感じる。
急いで人参を回収しました。

野菜は基本的に溶けて消えますが、生姜と人参はなかなか溶けないので回収が可能です。

煮込み始めて14時間後

煮込んで14時間、時間は8時になりました。
ちなみに14時間の間、タイマーをかけて1時間置きに火加減の調整と味見をしています。

本当は12時間経過した時点で後最低でも6時間と思っていたのですが…
そう、もう出勤をしなければならない時間が迫っていました。
しかも急な用事が入ってしまったのです。
それなので12時間経過辺りから少し火力を上げたのです。

今回の煮込み時間は14時間で終了です。
火力を上げてからは焦げ付かないようにかき混ぜながら2時間。

スープを抽出

火を止めたらスープを濾す(こす)工程となります。
と言ってもドロドロのスープ。ザルに開けただけでは不純物も取れないですし、殆どスープは取れないのでガラを絞ります。

絞る前に残っている野菜・生姜を取り除きます。
また、かなりの量を絞るので手が痛くなるのを防ぐ為、残っている固い骨も出来るだけ取ると手への負担が軽減されます。
大体残る骨は骨盤部分のみです。

どうやって絞るかは…

キレイな鍋の上にザルをのせて、その上にタオルを広げ、その上にガラを入れてます。
通常はキッチンタオルを使用しますが、その場合、やっぱり絞る時に手が痛いので
今回はご挨拶とかでいただく、普通のタオルを使用しました。

新品、ハイター浸け、熱湯消毒したタオルを使用。

残ったガラは全てをひたすら繰り返し絞ってようやくスープの抽出完了です。
絞る加減はもう一滴も出ません!ってところまで絞ります。

通常、飲食店で同じような仕込みをする場合は大きな鍋の上にザルを置き、キッチンペーパーを広げ
ガラを入れて上からボールを押し当てて体重をかけたりします。
しかし私の家にはそんな大きな調理器具が無いのでこの方法しか思いつきませんでした。

残った鶏ガラの量は?

絞りきった残りのガラはこんな感じになります。
流石に40羽も使うとすごい量ですね。

水分を絞ったガラはぱっさぱさ。
骨の髄までという言葉が当てはまるんじゃないと思うくらい絞ってます。

ガラはビニール袋、1袋で収まりました。
鶏ガラスープを作った場合はガラの処分に困るのでは?と思うかもしれないですが、
40羽でもこの程度です。処分するのに困る量ではないです。
※量は少ないですが、重量は結構あります。

スープの色

もう少し白くなる予定だったのですが、肌白になってしまいました。

そして冷めてくると表面が脂で固まり、コンポタージュの様な色になります。

作ったスープの活用方法

今回は鍋の為に作ったので、鍋にしました。
冷えたスープは動物性蛋白質の固まりなのでゼリーの様に固まります。
さっぱりと食べたい場合は固まった脂を取り除いて使用しても良いと思います。

冷凍保存が可能なので固まったら1人前ずつビニールに入れて冷凍するのも有りです。
鍋の他、ラーメン・雑炊、味付けをしていないので中華にも洋食でも使用することができます。

圧力鍋を使ったら

圧力鍋を使ったらもっと時短で作ることが出来ると思います。
ここまで凝らないのであれば4羽くらいなら家庭用の圧力鍋でも作れます。
その場合、お湯に潜らせるまでの工程は同じです。

ただし、水の状態から圧力をかけた場合、アクが取れないので
圧力をかける前に一度沸騰させてからアクを取り圧力をかける方法がおすすめです。

料理って大変なもの

掃除する前の鶏ガラを見せると大抵の方が顔をしかめます。
でも本格的に作りたいと思ったらそれなりに時間かかりますし、多少はグロいことだってします。
美味しい食べ物の背景には誰かがこういった作業をしているのです。

私が最初に鶏ガラの掃除をしたのは16歳の時でした。
最初は血の色がついて何が入っているか見えないシンクに手を突っ込むのは勇気がいりました。
そして臓器に指を入れて取り除く作業をする前に泣きごとを言って板長に怒られました。

「料理はこうやって出来るものなのだ」

そう言われ、半泣きで作業をして、でも出来上がったスープを飲んで感動したところから意識は変わったのです。

でもそれは和食の世界で料理人になりたいと強く思っていたからできたこと。
普通はあまりできない作業ですよね。
それなので今はライターですが、誰かが美味しいと言ってくれるのであればたまに作りたい。
そう思い、楽しみながら作るスープです。

1羽でもコンソメを使うよりは美味しいスープが取れるので是非試してみてください!

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この記事の執筆者

グルメブロガー バーボンなつき

グルメブロガー バーボンなつき

将来の夢は「板前」から始まりました。
それなのになぜかSE・一般事務・経理を経験。
しかし飲食への熱い思いは留まることがなく、エンゲル係数が高い生活へ。
作る、見る、食べる、食べてもらうことが好き。

キャッチコピーは【胃の中に入るものは何でも好き。】
しかしピーマンは食べられません。