カリフォルニアのワイナリー「マボロシヴィンヤード」を見学!日本人オーナーの私市友宏氏にお話を伺ってきました。

この投稿は、2泊4日でソノマ、ワイナリー巡りの旅に行ってきました体験記の一分になります。

先ずはカリフォルニアはソノマの地で「マボロシヴィンヤード」にお伺いして私市友宏(きさいちともひろ)氏にお話を伺ってきました。

美味しいランチを食べてお腹が満たされた僕達はフォッシャーマンズワーフから40分ほどで Maboroshi Vineyard & Wine Estate (マボロシ・ヴィンヤード&ワイン・エステート)に到着です。

ぶどう畑のご案内

まずは畑を見させていただきました。

収穫後で、つい先日の雨と風で葉っぱも落ちてしまったとのことですが、僕にとっては初のワイナリー訪問でテンションがめっちゃ上がります。

マボロシヴィンヤードでは通常の有機栽培を超えたビヨンド・オーガニックと呼ばれる新しい栽培方法を試していたりするのもあってか、ゴーファー(モグラと説明されましたが、穴をほって住むネズミ)の穴が沢山有るのが印象的でした。

畑には犬が2頭放し飼いに。こちらの黒い犬は元々レース用の犬だったみたいで物凄いスピードで走ります。

人懐っこいです(笑)

少しだけですが、葡萄がまだなっている樹もありました。

現在は、シャルドネとピノ・ノワールを育てていて、年間わずか150ケース。収穫以外は奥様と二人だけで行っているという超家族経営のワイナリーです。

テイスティングルームに移動して話を伺いました。

なんだかいい感じのテイスティングルームでワインを飲みながらお話を伺ってきました。

コルクガシの樹皮がサラッとおいてあるのもまた素敵です。テイスティング後に購入できるようなメニューリストもあります。

私市友宏(きさいちともひろ) 氏

マボロシワイナリーのオーナーの私市さんに詳しくお話を伺ってきました。

そもそも何故日本人がカリフォルニアでワインを?

元々は大阪出身で実家の酒屋を継いでいたそうですが、ブルゴーニュワインの「ラ・ターシュ」を飲んで感銘を受けて自らもワイン造りを行うことに決めたとかいうまさに「一本のワインで人生が変わった」素晴らしいワイン人生を送られている方です。

温和な雰囲気で物腰柔らかい喋り方をしていますが、恐らく人知れずいろいろな苦労をされたのであろうことが感じられました。

きっかけとなったDRCのラ・ターシュはワインセラーに何本も眠っていました。

1991年、結婚もして、小さいお子様を連れた状態でフランスへ。

そこでジュブレ・シャンベルタンのアルマン・ルソーで働いて、92年にカリフォルニアに。ソノマ大学でワインを学びつつ、様々なワイナリーで働いたりしながら99年にマボロシヴィンヤードを設立。

ヨーククリーク・ヴィンヤードから買い付けたメルローを使って幻メルローのファーストヴィンテージをリリースします。

自社畑のファーストヴィンテージは2005年です。
99年からはじめて、元々は林檎畑だった場所を自分たちで苗木を植えて育てて・・・苗木を植えて葡萄を育てるのには最低でも3年位はかかるのだそうです。

マボロシ?幻ワイナリーの名前の由来

1991年。まだ日本に住んでいた知人にフランスへ行ってワイン造りを勉強して自分でワインを作りたいと話したところ、「夢か、『まぼろし』みたいな話」と言われたそうです。それがずっと心の片隅に残っていて、二人のワインは「まぼろし」だったかもしれないワインという事で、「まぼろしワイン」と名付けられたとか。

ちなみに、幻想的なラベルは私市さんが自ら描いたというラベル。最初にワインを作る時にデザイナーさんに相談したところ、どうもピンとこなかったようで、自分で絵を書いてラベルにしちゃったとのこと。

ラベルの鳥はカリフォルニアの超高級カルトワイン「スクリーミング・イーグル」を表していて、羊は5大シャトーの一つ、「シャトー・ムートン・ロートシルト」を表しているとか。

その二匹が月(マボロシ)を追いかけているというラベルです。フランスとカリフォルニアの大御所に追いかけられるようなワイナリーを目指したいという心意気が詰まっているのでしょう。

ワインの良し悪しって?

私市さんは僕らの質問にも丁寧に答えてくれました。

「ワインの良し悪しは葡萄で90%違ってくる。」と、力強く答えてくれたのがとても印象に残りました。

良いぶどうを作るためには、良い土を作る。
化学肥料で使って作ると同じような味になってしまう。

斜面のほうが水はけが良くて空気が流れるから、葡萄は斜面が良い。平たいところの葡萄は水ぶくれすると言ったお話を聞かせてくれました。

ワインの価格ってどう決まるの?

これ。なんか素人っぽい質問ですが、実際のところ、かなり気になりますよね。

かなり具体的な数値を交えて応えてくれました。

一般的なフレンチオーク樽が1つで1000ドルくらいが原価みたいです。

フレンチオーク樽の匂いを嗅ぐ友人

余談ですが、樽は1年目は樽香がきつくなってしまい、使いづらいとの事です。
3年目、4年目がワイン造りにはいいとのことですが、5年目位だとニュートラルになって樽香が少なくなるとのこと。

葡萄の仕入れ価格もぜんぜん違うみたいです。
例えばカベルネ・ソーヴィニヨン。1トン1000ドル位から売られているみたいですが、高いのは2万ドルもするとか。

葡萄1トンで車が一台変えてしまう価格ですね!驚きです。

1トンで作れるのは50ケース(600本)位とのことなので・・・と考えると1本あたりのワインの原価が大きく変わってくるのも頷けますね。

また、最近のワイナリーはキャシュフローを良くするため、樽を薄くして作ることで早く飲めるワインを作ったりすることもあったりして、熟成期間を短くして早く市場に出したがる傾向にあるみたいです。

マボロシヴィンヤードさんへ行くには!?

親切に対応していただけるマボロシヴィンヤードさんへの往訪は予約が必須になります。

そして、何より日本語で色々とお話できるのがうれしいですね。

テイスティングは一人10ドルということですが、ワインを購入すると相殺してくれるようです。

詳細はウェブサイトを御覧ください → www.maboroshiwine.com

マボロシのワイン

ちなみにマボロシヴィンヤードのワインは僕が経営している Cafe & BAR BellB で2017年11月中旬位から飲むことが可能です。

2015年のシャルドネを1ケース仕入れてきまして、特別価格で提供する予定です。なくなり次第終了予定!

色々とお話を聞かせていただきました私市さん、ありがとうございました!

FOODee編集長 アカヌマカズヤ: FOODee編集長。フードブロガー。 株式会社BNF 代表取締役。 元IT会社の経営者。 熟成寿司専門店 優雅、飲食業界専門のクラウドファンディング Foobee 、FOODee IM