三河島にある麻婆豆腐専門店「眞実一路 」で5つの味(白、燻製、緑、黒、五味一体)の麻婆豆腐を食べ比べ

辛くない麻婆豆腐も意外と好きなのです。あ、辛いのもいけます。アカヌマです。

西日暮里とか三河島とかまぁそんな超ディープなエリアの路地裏にある超ディープな麻婆豆腐専門店に伺ってきました。

お店も味わいがあります。

麻婆豆腐専門と書いてある通り、麻婆豆腐には並々ならぬこだわりを感じます。

麻婆豆腐の五味一体とは?

麻婆豆腐の基本と言われる五味一体について、しっかりと記載がされていて期待感が増します。

一味「麻」

しびれる辛味
四川花山椒をふんだんに使用

二味「辣」

唐辛子の辛味
四川朝天辣椒で作る自家製ラー油使用

三味「香」

香辛料の香り
ニンニクや秘伝配合の豆板醤、四川氷川豆鼓の香り

四味「熱」

熱の旨味
鍋フチを焦がすまで焼き鉄皿でグツグツに

五味「色」

三色のコントラスト
豆腐の白、ラー油の赤、ニンニクの芽の緑

食べ比べ

早速食べ比べをしていきます。
せっかくなので、個人的なおすすめ順にご紹介します。

五味一体 麻婆豆腐

一辛から五辛まで選べます。二辛と五辛を食べ比べました。

個人的には二辛で十分な辛さですが、五辛が一番味わい深くて本場の味を感じられました。

四川で本場の麻婆豆腐を食べたことはないのですが、「四川風」ではなくて、「四川麻婆豆腐」を出しているお店で食べる麻婆豆腐と同じような味わいです。

強烈な花山椒による痺れと、汗が吹き出てくるような辛さを楽しめます。(翌日お腹が・・・もセットです)

日本の麻婆豆腐とは違って、スープにトロミは少なくて麻辣の旨味がしっかりと感じられます。
花山椒のしびれる辛さの奥底にある豆鼓や豆板醤が絶妙なアクセントになっていて、最初の一口目はしっかりと旨味や甘味さえも感じられました。直後にクル強烈な辛さと舌の痺れで後半は味がわかりづらくなりますが(笑)

本場の四川麻婆豆腐はもっと辛いのでしょうが、日本人にはこのお店の五辛くらいがちょうどいいのかもしれません。
辛さの奥にある様々な旨味を感じ取れるのはこのあたりが限界のような気がします。

白麻婆豆腐

鶏出汁系のマイルドな味わいがする麻婆豆腐で辛さは少なめです。
スープがとてもマイルドでトロミがあります。

そして強烈に香る花山椒。

これは花山椒の旨味を楽しむための麻婆豆腐だと個人的には思います。麻辣の「麻」の部分をガッツリ味わえますね。
辛いのが苦手な方でも楽しめると思います。

黒麻婆豆腐

辛いのかなーと思って食べたら意外とそうでもありません。

醤油の旨味と黒胡椒の味わいをぐわっと強く感じられる麻婆豆腐です。中国たまり醤油を使っているということですが、これが一番、日本人には好きな味わいかもしれません。
味はかなり濃厚で、ライスとの相性はバッチリですね。

これでマーボーご飯をしたら間違いないやつです。

燻製麻婆豆腐

初めて食べました。

燻製された麻婆豆腐です。どこをどうやって燻製してこの味わいになったのかが気になるくらい強い燻製香を感じます。

味わいも燻製そのもの。林檎のチップを使っているみたいですが、とにかく味わいは燻製感が強くて面白いので是非食べてみて欲しい逸品です。

が、燻製系は残念ながらご飯には合わないんですよね。燻製麻婆豆腐もご多分に漏れずご飯との相性はいまいちでした。

緑麻婆豆腐

ペースト状にした野菜が入っているという緑の麻婆豆腐は、トロミと野菜の旨みが味わえます。
辛味と野菜の旨みは思ったよりもマッチしていました。

こちらも他では余り食べれない面白い麻婆豆腐ですね。

眞実一路の麻婆豆腐まとめ

初めての方や、いわゆる四川の麻婆豆腐が好きな方は文句なしに「五味一体麻婆豆腐」をオススメします。
これだけ別格です(笑)

辛意の苦手だけど、花山椒の痺れは好きという方は「白麻婆豆腐」を。ご飯とのマリアージュを楽しみたい方は「黒」ですかね。

でも、一番は4人位で来て、みんなでちょっとずつシェアして色々な味わいが楽しめると面白いですね。

ごちそうさまでした。

麻婆豆腐あれこれ

余談です。恥ずかしながら麻婆豆腐の「麻」ってついさっきまで「麻辣」の「麻」だと思っていましたが違ったんですね。

じゃぁ「婆」の字は何なんだと思ってちょっと調べたら面白いことがわかりました。

元々四川麻婆豆腐は陳麻婆豆腐と言われていたみたいです。場所によっては今でもそう言われています。

1862年当時の成都の北に食堂「陳興盛飯舗」が作られました。
ところが店主は直ぐに亡くなってしまいまして、奥様がお店を切り盛りしていたそうなのですが、この方の顔にニキビの跡(あばた)が多くあったみたいです。
中国語だと、「あばた」は「麻」です。そしておばさんは「婆」です。

ここからこの奥様は「陳麻婆」と呼ばれるようになったそうです。

その「陳麻婆」が開発した豆腐をつかった料理が「陳麻婆豆腐」というわけです。恥ずかしながら僕は知りませんでしたが、今では四川を、いや、中国を代表する料理になっていると考えると面白いですね。

ちなみに、陳麻婆さんが経営していた「陳興盛飯舗」は今では「陳麻婆豆腐」という店舗として四川省の成都で今も大繁盛しているそうです。

 

五味一体麻婆豆腐 五辛
  • 辛さ
  • 花山椒
  • 味の深み
  • 本場感
4.2

眞実一路

五味一体をとにかくオススメしますが、大勢で行って色々な食べ比べがベストだと思います。
五味一体も、辛さに寄って味わいの表情が大きく変わりますので、そのあたりの辛さ違い食べ比べもお楽しみいただければ。
余談ですが、麻婆豆腐意外の料理もしっかり味わい深かったです。

FOODee編集長 アカヌマカズヤ: FOODee編集長。フードブロガー。 株式会社BNF 代表取締役。 元IT会社の経営者。 熟成寿司専門店 優雅、飲食業界専門のクラウドファンディング Foobee 、FOODee IM